会社基本情報
| 会社名 | Biome Makers |
|---|---|
| 本社所在地 | アメリカ カリフォルニア州デービス / スペイン |
| 設立 | 2015年 |
| CEO | Adrian Ferrero |
| 事業内容 | 土壌マイクロバイオーム(微生物叢)解析サービスの開発・提供 |
| 累計資金調達額 | 1,500万ドル(Series B、2025年8月) |
| 公式サイト | https://biomemakers.com/ |
事業概要
Biome Makersは、土壌中の微生物群(マイクロバイオーム)をDNAシーケンシングとAIで解析するプラットフォーム「BeCrop」を提供する企業です。従来の化学的な土壌分析では把握できなかった土壌の生物学的健康状態を可視化し、農家に対して科学的根拠に基づいた土壌管理の意思決定を支援しています。

TIME誌の「Top GreenTech 2025」にも選出されており、土壌科学とデータサイエンスを融合した新しいアプローチが国際的に評価されています。
課題と解決策
従来の土壌分析の限界
一般的な土壌分析はpH、窒素、リン、カリウムなどの化学成分を測定するものが中心です。しかし、土壌の生産力は微生物の活動に大きく依存しており、化学分析だけでは土壌の本当の健康状態を評価できません。施肥の過不足や土壌劣化の兆候を早期に把握することが難しく、結果として過剰施肥や収量低下につながるケースが少なくありません。
BeCropによる解決
BeCropは、土壌サンプルからDNAを抽出し、次世代シーケンサーで微生物の種類と量を網羅的に解析します。AIが解析結果を処理し、土壌の生物学的機能(栄養循環、病害抑制力、有機物分解能など)を数値化したレポートを生成します。これにより農家は、どのような微生物資材や農法が自分の圃場に最適かを、データに基づいて判断できるようになります。
ビジネスモデル
BeCropはSaaS型の解析サービスとして提供されています。農家や農業コンサルタントが土壌サンプルを送付すると、解析結果がクラウド上のダッシュボードで確認できる仕組みです。
Anglo American(鉱業大手の農業部門)やMidwest Labs(米国の大手農業検査機関)との提携により、既存の土壌検査インフラに組み込む形で普及を進めています。2025年にはポルトガル市場にも進出しました。
2025年8月にはProsus Venturesを引受先としたSeries Bで1,500万ドルを調達し、事業拡大の資金を確保しています。
今後の計画
Series Bの資金を活用し、BeCropプラットフォームの解析精度向上と対応地域の拡大を進める方針です。特にヨーロッパ市場への本格展開を加速させています。
また、土壌微生物データの蓄積が進むことで、作物ごと・地域ごとの最適な土壌管理レコメンデーションの精度が年々向上しています。将来的には、肥料・農薬メーカーとの連携により、微生物叢の状態に応じた製品推奨サービスへの発展も視野に入っています。
コメント
土壌の「生物学的健康」という新しい切り口で農業の意思決定を変えようとしている点が、Biome Makersの最大の差別化要素です。化学分析だけでは見えない土壌の状態を可視化するというアプローチは、持続可能な農業への転換が求められる今後の農業において重要性が増していくでしょう。
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