播種と除草の両方を行う全自動ロボットを開発・販売するデンマークの農業ロボット企業FarmDroid社

事業概要:播種と除草の両方を行う全自動ロボットを開発

FarmDroid社は、播種と除草の両方を行う全自動ロボットを開発するデンマークの企業です。FarmDroid社の提供するFarmDroid FD20は、完全自動で播種と除草を行い、高度なGPS技術によって播種した位置を記録するため、その後の除草作業を効率的かつ経済的に行うことが可能です。

従来の有機農法では手作業によって除草が行われるため、労働者不足と人件費の高騰が課題とされており、FarmDroid社のロボットは効率的な有機農法に向けた解決策として期待されています。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=upzvmpQgJ5E

ビジネスモデル

FarmDroid社は、現在FarmDroid FD20の商用販売を開始しています。デンマーク、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリアのディストリビューターを通じてヨーロッパの農家に販売しており、2020年春時点ではヨーロッパの1000ヘクタール以上の農場で播種と除草を行いました。2020年7月時点での販売価格は、約75,000ユーロとされています。

テクノロジー:太陽光発電で稼働し、GPS技術で播種・除草を行う全自動ロボット

FarmDroid社の全自動自律ロボットFarmDroid FD20は、太陽光発電によって稼働するフィールドロボットで、高精度のGPS技術を利用して播種時に作物の位置を特定し、作物間の除草を行います。

高精度で播種を行うため、作物の近くまで除草が可能で、人の手による除草作業を最小限に抑えることが可能です。

小さな鍬のようなパーツが作物を避けながら地面をすくことで雑草を倒していきます

GPS技術によって播種された種子の位置を記録するため、カメラやセンサーでの認識は行いません。播種の間隔、深さ、速度は作物や土壌タイプ、農家の個々の希望に合わせて調整可能です。作物が発芽する前でも種の正確な位置がわかるため、非常に早い段階で除草作業を開始できます。

FarmDroid FD20は、様々な作物に対応しており、これまでにシュガービート、玉ねぎ、ほうれん草、ケール、菜種、花の種などの播種と除草作業を行った実績があります。

FarmDroid FD20は800kgと大型の農作業機械と比較して軽量で、土壌の損傷を抑えられます。

4枚のソーラーパネルによってバッテリーパックに電力が蓄積され、1日あたり最大24時間の稼働が可能です。そのためバッテリーを外部より充電することなく、シーズンを通して最大20ヘクタールの農場で稼働させることができます。したがって完全にC02ニュートラルの環境に優しいテクノロジーです。

今後の計画

2019年に、オーデンスのDanish Technology Instituteのオーデンス・ロボディックス・スタートアップ・ハブで開発を加速させたFarmDroid社のロボットは投資家から注目を浴びており、デンマークとヨーロッパ地域への更なる進出を予定しています。

コメント

小型で軽量のロボットで、有機農業の最大の課題とされる除草を完全自律型で行えるFarmDroid社のロボットの登場は、ヨーロッパ地域におけるユニークな農業ソリューションとして期待されています。

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