農場の隅々まで効率的に農薬を散布する、Kiwi Technologies社の大型ドローン技術について解説

Kiwi Technologies社の事業概要

Kiwi Technologies社は、2017年に設立された作物保護の最新テクノロジー企業です。アメリカを拠点としており、化学物質や種子など農場で必要とされる多くの物質を大型ドローンによって、必要な範囲に効率的かつ無駄なく散布するサービスを提供しています。Kiwi社の技術によって、人為的エラーや当てずっぽうな散布作業が不要になります。

ビジネスモデル:ドローンの作業量に応じた料金システム

Kiwiのドローンによる散布サービスを事前に予約し、ドローンの作業量に応じて支払う料金システムを採用しています。

具体的には、予約完了後にKiwi社の担当者が農場を調査し、経路計画を作成します。

トレーラーで運ばれるドローン(公式サイトより)

その後Kiwiの技術者は必要な薬品などを水で混ぜ、ドローンに注入します。その後ドローンが経路計画に合わせて薬品や種子の散布を開始します。

散布が完了すると、散布した量、場所、時間が性格に表示されたレポートが送信されます。

レポートのイメージ(公式サイトより)

サービス価格は、5ガロンの作業量で1エーカーあたり10ドル、10ガロンの作業量で20ドル、20ガロンの作業量で30ドルです。全てのサービスに、事前の現地調査、農薬代、散布の詳細が記載されたレポートが含まれています。

テクノロジー:自律型の大型ドローンで農場の隅々まで農薬を散布する

Kiwi社は、農場で必要とされる化学物質や種子を、フィールドの端まで含めた必要な範囲かつ必要な場所に適切に散布する自律型ドローンを提供しています。

Kiwi社の自律型GPSおよびレーダー誘導型システムによって理想的な経路計画が決定され、人的エラーや不整合を起こすことなく高精度に散布していきます。

Kiwi社の自律型ドローンの特徴として以下の3点が挙げられます。

  • 農場の隅々まで散布:ツリーラインや農場の角、電力線、丘、水路の保全、そして不規則な形の農場であっても問題ありません。自律型空中システムは低高度の移動が可能であり、また経路計画を事前に設定するため農場の隅々まで散布が可能です。また飛行範囲を超過することもなく、近所迷惑になる心配もありません。
  • 測定可能:物質の配布量や配布場所、配布時間が測定されており、正確に分かります。
  • 標準の容量と速度:Kiwi社の自律型ドローンによって配布される化学物質や種子などは、業界標準のノズルとスプレーパターンを使用することで、1エーカーあたり最大20ガロンの速度で散布されます。これらの器具は業界標準の価格で提供されます。

Kiwi社のドローンは、ピックアップトラックほどの大きさで、500ポンドの重さの農薬を運ぶことができます。

今後の計画

2019年に500万ドル以上の資金調達を終えたKiwi社は、拠点をエベレットからモールデンへ写すことでより大きな倉庫へ移動しました。また今後、フロリダ、ルイジアナ、カリフォルニアへもオフィスを建設する予定です。

コメント

大型ドローンの活用により大規模な農場でも効率的な農薬や種子の散布が可能になることで、労働力不足の問題や、世界的な人口増加による食糧不足の問題の解決が期待されます。

参考サイト