微生物ベースの技術を使って商品を認識・追跡するバイオテクノロジー企業Aanika Biosciences社について解説

事業概要

Aanika Biosciences社(旧社名Carverr)は、2018年に設立された食品安全保障サービスを提供するバイオテクノロジー企業です。ITと合成生物学を組み合わせて、さまざまな課題に対するソリューションを開発しています。米国ニューヨーク州ブルックリンに本社を置いており、社員数は11〜50人と推定されます。

世界中で基準を満たさない商品の破棄に莫大なコストがかかっているという課題があり、Aanika Biosciences社は微生物ベースの技術を使って商品を認識・追跡することでサプライチェーンの生合成と効率性を高めることを可能にします。

大手農業・食品企業向けに微生物ベースの技術を利用した食糧安全保障サービスを提供しおり、サプライチェーンの整合性を確保し、潜在的な損失を削減します。利用する企業はサプライチェーンに関する洞察を得ることができ、顧客はより良いと考える消費選択と持続可能な生産に貢献することができます。

Youtube動画:https://www.youtube.com/watch?v=9z7xmsV3ffk

ビジネスモデル

Aanika Biosciences社は微生物を使用して食品を追跡可能にする技術を開発しています。生物の特定の組み合わせを農作物に噴霧することで、サプライチェーンの過程全体で微視的なバーコードとして機能します。

現在プロトタイプ段階で、今後企業や研究機関と提携しながら、商品化に向けてプロジェクトを進めていく予定です。

テクノロジー

全ての生物の生体分子には、数十億ビットの情報が含まれています。Aanika Biosciences社では、生物学的技術を活用して穀物や果物、野菜などの作物に原産地や属性といった情報を含めることが可能です。

極端な温度や過酷な条件に耐えられる天然の保護カプセルを形成する微生物を使用しており、食品についての大切な情報を入れておくのに最適な「生物学的タグ」を提供します。Aanika Biosciences社のタグにはあらゆるデジタル情報を格納することができ、無色・無臭のため商品に影響を与えることはありません。

またタグはサプライチェーンプロセスに簡単に組み込むことができ、すぐに自社商品に適用することが可能です。タグは、商品に直接噴霧することも、既存の湿式プロセスに組み込むこともできる液体の形態で提供されています。微生物タグは、事実上破壊不能であり、熱や紫外線など、サプライチェーンで頻繁に遭遇する条件にも高い耐性を持っています

今後の計画

Aanika Biosciences社は2019年11月に190万ドルを調達しており、調達資金を元に新たなチームメンバーの雇用と、企業や研究機関と提携したパイロットプロジェクトを進めています。

コメント

微生物は、農作物技術で現在多くの注目を集めており、その可能性は多岐に渡ります。Aanika Biosciences社のようなトレーサビリティへの活用の他、食中毒予防、植物性コラーゲン、乳製品代替品など、食品分野のさまざまな用途に適用が見込まれています。微生物の組み合わせによりサプライチェーンでの商品の追跡を可能にするAanika Biosciences社の技術は、今後の商品化に向けてさらに注目が集まることが期待されます。

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