DJI T100の性能検証|タンク26ガロンとLiDARで作業効率をどう変えるか

動画出典: DJI T100 Demo!!!(Border View Farms)

DJIの大型散布用ドローンT100のデモ動画

要約: 米国の農機ディーラーで実施されたDJI T100のデモ内容を解説。T50比でタンク容量が約2.5倍の26ガロンに拡大し、LiDAR搭載やノズル配置変更により、大規模圃場での散布効率と障害物回避性能が向上した。バッテリー持続時間や実効能力、日本の導入環境における課題を整理する。

しらい
しらい

今回紹介するのは、農業用ドローン「DJI Agras T100」のデモ動画です。従来機種のT50と比較し、タンク容量や飛行性能、そして新しいLiDARセンサーによる障害物検知機能がどう進化しているかを、実際のフィールドで確認している内容なんですね。

よしだ
よしだ

なるほど、散布用の大型機ですね。規模感の拡大を狙ったモデルのようですが、特に印象に残った機能はどこでしたか。

しらい
しらい

最大のポイントはタンク容量です。T50が10.5ガロンだったのに対し、T100は26ガロンと約2.5倍になっています。これにより、1エーカーあたり3ガロンという標準的な散布量であれば、バッテリー残量を確保したまま空タンクで帰投できることがテストで示されました。

よしだ
よしだ

数字としてはインパクトありますね。ただ、タンクが大きくなると機体も重くなるはずです。バッテリーの持ちは大丈夫だったんですか。

しらい
しらい

はい、バッテリーは大容量化されていますが、課題も残っています。動画内では、広い圃場では問題ないものの、小回りの利く小さな圃場では旋回の多さが負担となり、タンクを空にする前にバッテリーが切れるケースが報告されていました。

よしだ
よしだ

つまり、圃場の形状によってメリットが出る場面と出ない場面があるわけですね。経営視点で見ると、導入の判断は難しいところです。

しらい
しらい

その通りです。一方で、ハードウェアの堅牢性は向上しています。接続部がより頑丈になり、タンク内の液面を直接計測するセンサーが導入されました。従来の重量計測方式では、高濃度の肥料などで誤差が生じることがあったため、これは運用上の利点と言えます。

よしだ
よしだ

センサーの精度向上は地味ですが現場では助かりますね。あと、障害物検知のLiDAR機能についても触れられていましたか。

しらい
しらい

はい、LiDARによって樹木や電柱などの立体形状をマッピングし、制御画面で3D表示できるようになりました。従来のT50では露出していたレーダーやカメラが機体内に収納されており、破損リスクも減っています。

よしだ
よしだ

安全性とメンテナンス性の向上ですね。では、実際の作業効率、つまり1時間あたりの処理面積はどれくらい向上する見込みですか。

しらい
しらい

動画では、T50で1日250エーカー前後、時速28〜30エーカーが目安として挙げられていました。T100はタンク容量の倍増で給水回数が半減するため、時速50エーカーへの到達も視野に入るとされています。

よしだ
よしだ

給水回の削減は稼働率に直結しますね。ただし、機体価格や運用コストとのバランスを考えると、どの規模の農家にとって合理的か、議論が分かれそうなポイントです。

しらい
しらい

ええ、大規模経営体にとっては効率化の武器になりますが、小規模では初期投資と維持費が負担になる可能性があります。技術の進化は明確ですが、収益構造との適合性は地域や経営規模次第という側面がありますね。

よしだ
よしだ

メリットと課題が混在している現状ですね。この先の導入事例の蓄積と、実際の収支データがどう出てくるか、注視していきたいところです。

しらい
しらい

はい、技術のポテンシャルは高いですが、実運用での最適解は各農家の状況に委ねられるでしょう。今日はここまでとします。

タンク容量26ガロンとバッテリー持続性の課題

DJI T100の最大の特徴は、タンク容量が26ガロン(約98リットル)に拡大した点だ。従来機種のT50が10.5ガロン(約40リットル)であったことを考えると、容量は約2.5倍となる。しかし、容量増加に伴いバッテリーの消費速度も懸念される。動画内のテストでは、1エーカーあたり3ガロンの散布密度で、約1/4マイル(約400メートル)の圃場を飛行した場合、タンクが空になる前にバッテリーが切れるリスクが指摘された。小規模な圃場や旋回が多い場面では、重量増加による負荷でバッテリー残量が不足する可能性がある。日本での導入検討時は、圃場の形状と散布密度に応じたバッテリー運用計画が不可欠だ。

LiDAR搭載による障害物検知と3Dマッピング

T100にはLiDAR(ライダー)センサーが搭載され、T50にはなかった機能として注目される。LiDARは圃場の高低差や障害物を三次元でマッピングし、コントローラー上で可視化する。動画では、遠くの樹木や壁を正確に検知し、そのデータを保存して次回飛行時に活用できる様子が確認された。これにより、電柱や灌漑設備などの障害物による衝突リスクを低減できる。また、コントローラー画面は3分割され、通常カメラ、圃場全体図、LiDARデータを同時に確認可能になった。日本では電線や果樹園の複雑な地形での運用において、この機能は安全性向上に寄与するだろう。

ノズル配置変更と散布品質の向上

T100では、ノズルがモーター直下から独立したブーム(腕)へ移動した。この構造変更により、プロペラからの風圧(ダウンウォッシュ)をより効果的に利用し、農薬を作物の葉裏まで届けることが期待される。動画では、T50で課題となっていたスケール式タンク計測の誤差(高粘度肥料で発生)を解消するため、レベルゲージ式に変更された点も紹介された。さらに、ミストノズルパッケージにより4つのノズルで散布でき、T50比で散布幅は30フィート台後半と広くなる見込みだ。散布速度も時速40フィート程度と高速化し、作業効率の向上が見込まれる。

大規模経営向けとしての位置づけと日本の規制

動画の出演者は、T100を「年間数万エーカーを散布する商業規模のオペレーション向け」と位置づけ、小規模農家には過剰なスペックであると評価した。T50を中型トラクターに例えるなら、T100は大型高性能機に相当する。米国ではすでに納車が始まっているが、日本での導入には電波法や航空法、農薬取締法などの規制対応が必要だ。また、DJI製品に対する各国の規制動向も注視する必要がある。動画内では、既存の承認済み機種に対する規制強化は当面見送られるとの見解も示されたが、今後の法整備の動向を確認しながら導入判断を行うべきである。

よくある質問(FAQ)

Q. DJI T100のタンク容量はT50と比べて具体的にどのくらい増えていますか?

DJI T100のタンク容量は26ガロン(約98リットル)です。従来機種のT50が10.5ガロン(約40リットル)であったため、容量は約2.5倍に拡大しています。この大容量化により、1回の飛行でカバーできる面積が増え、給水・給薬の頻度を減らすことが可能です。ただし、散布密度や圃場条件によってはバッテリーが先に切れる可能性があるため、事前のテストが推奨されます。

Q. DJI T100に搭載されたLiDARはどのような機能を持っていますか?

DJI T100のLiDARは、圃場の高低差や障害物を三次元でマッピングし、コントローラー上で可視化する機能を持っています。樹木や電柱などの障害物を検知し、そのデータを保存して次回飛行時の回避に活用できます。T50にはなかった機能であり、複雑な地形や障害物が多い圃場での衝突リスク低減に貢献します。コントローラー画面では、カメラ映像とLiDARデータを同時に確認可能です。

Q. DJI T100の散布幅や散布速度はT50と比べてどう変化していますか?

DJI T100の散布幅は、メーカー公称値では40フィート前後ですが、実効的な散布品質を考慮すると30フィート台後半が適切とされています。T50の散布幅が25〜28フィート程度であったことを考えると、より広い範囲を一度に処理できます。また、散布速度は時速40フィート程度と高速化しており、T50比で25〜30%の効率向上が見込まれます。ただし、作物への付着性を保つため、速度と散布量のバランス調整が必要です。

Q. DJI T100のタンク残量計測方式はT50からどのように改善されましたか?

T50ではスケール式(重量計測)を採用していましたが、高粘度の肥料などを散布する際に誤差が生じることがありました。DJI T100では、タンク内部の液面を直接検知するレベルゲージ式に変更されました。これにより、散布液の粘度や温度による影響を受けにくくなり、より正確な残量管理が可能になっています。動画内でも、この変更により計測精度が向上したことが確認されています。

Q. DJI T100の導入に適した圃場の規模や条件は何ですか?

DJI T100は、年間数万エーカーを散布する大規模な商業経営向けに設計されています。動画の出演者は、小規模な圃場や旋回が多い場所ではバッテリー持続時間の問題が生じやすく、T50の方が適している場合があると指摘しています。広大で平坦な圃場を効率的に処理する場合にその能力を発揮します。日本での導入検討時は、圃場の広さ、形状、散布密度を考慮し、T50との比較検討を行うことが重要です。