目次
再生可能エネルギー、企業版ふるさと納税、寄付を活用した地域再生モデル
売電収益を活用した地域還元・基金モデル
農業と地方創生を両立させる取組として、再生可能エネルギー事業の売電収益を活用し、地域農業や森林保全に還元する事例が全国で展開されています。
本記事では、農林水産省の事例集に掲載されている中から、
基金化・地域還元・荒廃農地対策に関連する事例を紹介します。
出典:
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/zirei.html
1. 風力発電の売電益を環境基金へ積立(高知県梼原町)
事業主体:高知県梼原町
- 風力発電(600kW×2基)
- 売電収益を町の環境基金へ積立
- 間伐交付金として森林所有者へ交付
- ペレット向け間伐材搬出費用を補助
- 間伐対象森林の約71%が完了
売電益を基金化し、森林整備へ活用している点が特徴です。
発電収益を地域資源保全へ循環させる地方創生型モデルです。
2. 太陽光発電の売電収益を地域農業へ還元(熊本県合志市)
事業主体:合志農業活力プロジェクト合同会社
- 太陽光発電(999.6kW)
- 出資者への配当等を基金に積立
- ブランド化のPR活動、6次産業化、新品種導入を支援
- 売電収益の5%を土地改良区へ還元
- 用水路や農業用施設の整備に活用
売電収益を「攻め」と「守り」の両面で活用し、地域農業の発展に寄与しています。
3. 市民出資による営農型太陽光で荒廃農地を再生(千葉県匝瑳市)
事業主体:市民エネルギーちば合同会社
- 営農型太陽光発電(49.5kW)
- 荒廃農地に設備を設置
- パネルオーナー制で資金調達
- 売電収入の一部をパネルオーナーへ還元
- 地代や耕作者への還元体制を構築
- 「地域環境基金(仮称)」の設立を予定
荒廃農地の再生と売電収益の地域還元を組み合わせた事例です。
4. 小水力発電による「ひおき未来基金」(鹿児島県日置市)
事業主体:ひおき地域エネルギー株式会社
- 小水力発電(44.5kW)
- 19団体・個人が出資
- 売電収益の一部を「ひおき未来基金」として積立
- 地域農業へ貢献予定
売電収益を基金化し、地域農業へ活用する計画が明示されています。
5. 再生した荒廃農地を下支えする太陽光発電(石川県羽咋市)
事業主体:株式会社JAアグリはくい
- 太陽光発電(2,000kW)
- 荒廃農地を再生し大区画化
- 営農に支障のない位置に発電設備を設置
- 売電収入を営農活動の下支えとして活用予定
発電収益を営農経費に充当することで、再生農地の継続的な活用を支援しています。
農業・地方創生における共通構造
事例に共通しているのは、
- 再生可能エネルギー設備の設置
- 売電収益の確保
- 基金への積立または地域還元
- 農業・森林・水利施設の維持管理へ活用
という構造です。
売電収益を単なる利益とせず、
地域へ還元し、農業や森林の維持に活用している点が地方創生型の特徴です。